家の光協会

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やさい畑

2025年4月春号

922円(税込み)

2025年3月3日発売

IENOHIKARI

特集

バイオスティミュラントから手作り資材まで
すごいぞ! 野菜の刺激剤

野菜に刺激を与え、収量や品質をよくする資材としてバイオスティミュラント(BS)が注目されています。BSは新しい資材ですが、昔から野菜づくりで利用されてきた酢酸や乳酸菌を原料とするものも多くあります。そんなBSの最新情報と従来から使われてきた農家の手作り活性剤を紹介します。
【主な内容】
〇Part1 バイオスティミュラント
 地球沸騰化時代を乗り越えるBS 
〇Q&Aでよくわかる バイオスティミュラント
・農薬や肥料とはどう違う?
・BSは植物のどんな能力を引き出す?
・家庭菜園では、BS製品をどう活用すればいい?

〇Part2 手作り資材
なにが、どう効く? 農家の活性剤
・8種類のパワーを生かす 多目的活性液
・植物質のみで作ってBS力向上 ボカシ肥
・ヨモギのエキスがたっぷり 天恵緑汁
・虫よけの伝統資材。それ以外の効果も!? ストチュウ

監修/金 鍾明(東京大学特任准教授)、須藤 修(日本バイオスティミュラント協議会理事)、涌井義郎(有機農業の技研究所主宰)

新連載

農の匠 ナス栽培の極み技

野菜ごとに優れた栽培技術を持つ生産者に、栽培の極意を伺います。土づくりから収穫までの技術を深掘りすることに加え、家庭菜園に応用できるアレンジワザを紹介。今号は、東京のナス栽培の第一人者として知られる星野直治さんにご登場いただきました。

大型連載

糸状菌の力で元気野菜づくり
家庭菜園で菌ちゃん農法

無農薬・無肥料でも糸状菌の力を生かして、大きくて健康な野菜が収穫できる「菌ちゃん農法」が全国で急速に広がっています。菌ちゃん先生こと吉田俊道さんが、『やさい畑』読者のために考案した2畝の家庭菜園向けモデルでの実践法を紹介します。今回は、トマトやナスといった夏野菜の育て方を中心に最新のノウハウとともに解説します。


監修/吉田俊道
㈱菌ちゃんふぁーむ代表取締役。1959年、長崎市生まれ。九州大学農学部大学院修士課程修了後、長崎県農業改良普及を経て1996年に有機農家に。食育推進にも取り組み、NPO「大地といのちの会」理事長を務める。著書に『微生物の力だけで奇跡の野菜づくり 図解でよくわかる菌ちゃん農法』(家の光協会)など。

新連載

有機自給農家
柴田家のやさしい野菜づくり

有機農業のメッカとして名高い茨城県の八郷地区に夫婦で新規就農した柴田農園による栽培講座。季節に合わせた野菜を育て、収穫物でさまざまな加工品をつくる自給生活を送るお二人に有機での野菜の育て方を教えてもらいます。新規就農者だからこそ気づいた栽培のポイントをふんだんに織り交ぜて、わかりやすく、やさしく解説します。
 【今号で紹介する野菜】
●トマト ●ナス ●キュウリ ●ピーマン ●サトイモ ●トウモロコシ ●エダマメ ●カボチャ ●スイカ ●ミニトウガン ●ハグラウリ ●マクワウリ ●ヘチマ

 循環菜園 野菜づくりの新常識

逆さ植えVS普通植え
サトイモが多くとれるのはどっち?

植物の芽は上に向かって伸びていきます。そのためサトイモの種イモを植えつけるときも、当然、芽を上向きにするのが常識とされています。では、あえて芽を下向きにして植える「逆さ植え」にすると、サトイモの生育はどう変わるのでしょうか。芽を上向きに植える「普通植え」との、収量の違いを比較検証しました。

栽培指導/内田達也
アースケアテイカー。㈱いかす取締役。1976年、東京都生まれ。神奈川県平塚市で7haの有機栽培圃場を運営し、年間50品目の野菜を出荷。持続可能な農業の担い手を増やす「はたけの学校【テラこや】」講師を務める。

イガさんの菜園実験室 

早晩性の違いで交雑は防げるか?
トウモロコシ3品種 同時まき実験

トウモロコシは、複数の品種を育てたいと思っても、キセニアの発生が心配で断念するケースが多くあります。では、生育期間が異なる品種を同時にまいたらどうなるのでしょうか? 開花時期がずれるのでキセニアは発生しないのか、それとも…。そこで早生と中生、晩生の3品種を同時にまいて、実際どうなるかを検証してみました。

栽培指導/五十嵐 透
東京都練馬区の農業体験農園「イガさんの畑」園主。練馬区農業体験農園園主会会員。江戸時代から続く農家に生まれ、平成11年に農業体験農園を開設。現在は約120名の利用者に、年間約20種類の野菜の栽培法をわかりやすく指導している。

スマイル農園のなるほど栽培 

ラッカセイ栽培にマルチは有効?

ラッカセイは高温を好む野菜です。ポリマルチを使えば地温は上昇しますが、子房柄が土に潜り込む生育特性があるので、マルチなしで栽培する人もいます。ラッカセイとマルチの相性を探り、マルチ栽培を成功させる方法を、4つのパターンで実験。子房柄はマルチを突き破るといわれますが、その真偽についても検証しました。

栽培指導/豊泉 裕
1967年生まれ。東京都立川市の農業体験農園「スマイル農園」園主。江戸時代から続く農家の十代目で、就農29年め。農園利用者に年間約50種類の野菜の栽培を指導している。

プランターで循環野菜づくり 

甘~い実がどっさり収穫できる
始めよう! トマトのプランター栽培

どこでも手軽に野菜づくりを楽しめるプランター栽培ですが、「畑よりも育ちがよくなかった」「栽培後の土の処分に困るといった悩みがつきものです。ところが有機栽培をベースにした独自の手法で、それらの問題を解決し、年間30種類の野菜を育てている名人がいます。それが安藤康夫さんです。「この方法なら、畑に負けないくらいどっさり収穫できますよ」と言う安藤さんに、プランター栽培を一から始めるコツを、プランターと好相性のトマトの育て方とともに手ほどきしてもらいます。
 
栽培指導/安藤康夫
東京都板橋区在住。2006年から自宅の屋上(約35㎡)でプランター栽培を始める。伝統野菜を中心に年間30品目の野菜を育て、自家採種を続けている。著書に『プランターで有機栽培1・2』(農文協)がある。。

区画農園の超絶達人

省スペースで大収穫            サトイモとショウガの仲よし栽培


サトイモとショウガは、どちらも水が好きで、栽培期間が長い野菜です。植えつけや収穫などのタイミングも同じため、面積が限られる区画農園では、セットで育てると効率的です。しかもサトイモの葉がつくる日陰のおかげで、暑さが苦手なショウガが元気に育ちます。
 
栽培指導/宮﨑靖好
定年退職後、区画農園で野菜づくりを始め、現在3区画90㎡で年間70品目を手がける。限られたスペースを最大限に生かすため、密植や畝の上空を使い倒すリレー栽培などの手法を編み出し、高品質・高収量を実現している。

自然栽培を成功させる方法 

土づくりゼロでもよく育つ
一石二鳥のジャガイモ栽培

神奈川県愛川町の農園で、年間100品目もの野菜を自然栽培で育て、出荷している田村吾郎さんによる栽培講座。自然栽培では畝の上に草や残渣を敷いて土づくりを行います。地力がつくまでに時間がかかることが難点ですが、ジャガイモなら、土づくりと並行しての栽培が可能です。まさに一石二鳥の栽培法。はじめて自然栽培を始める方にもうってつけです。
 
栽培指導/田村吾郎
1971年、神奈川県生まれ。東京農業大学大学院農学研究科修了。2012年、愛川町で就農し、「わんぱく自然農園たむそん」を開園。無肥料・無農薬で栽培した野菜を地元の直売所で販売するほか、個人宅やレストランに届けている。

畑の探求者 

磁石はトマト栽培の救世主!?

磁場が植物の生育に与える影響については、国内外でさまざまな研究が行われていますが、生産現場で実用化されるまでには至っていません。一方で、「磁石を近くに置くと野菜がよく育つ」といったうわさを耳にすることもあり、なんらかの影響があるのはまちがいなさそうです。そこで、強力なネオジム磁石をトマトのまわりに置いて育ててみました。糖度や収穫量アップにつながるでしょうか?
 
栽培・文/和田義弥
大学卒業後、出版社勤務を経てフリーライター。茨城県石岡市に暮らし、約5反の田畑で自給用の米や野菜を栽培。世界70か国以上を旅したなかで出合った多様な栽培法を実践する。著書に『一坪ミニ菜園入門』(山と溪谷社)などがある。

別冊付録

「春の畑仕事」大全

野菜づくりの成否を大きく左右するのが、土づくりや畝立てといった春の畑仕事。堆肥や肥料はどれを使い、どう施すか? 畝の高さや向きはどうすればいいのか? さらには種や苗の選び方から植えつけまでの作業のコツを徹底解説します。

監修/加藤哲郎、麻生健洲