家の光協会

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やさい畑

2025年2月春準備号

922円(税込み)

2025年1月4日発売

IENOHIKARI

特集

メタボ、痩せすぎ、水はけ不良…
困った土の整え方

畑の土は、まさに野菜づくりの土台。その良しあしが栽培の可否を決めると言っても過言ではありません。『やさい畑』読者のみなさんに、ご自身の畑の土に関するアンケートを実施したところ、「土になにかしら問題がある」という回答が、なんと86%にも上がりました。過度な土づくりによって養分をため込んだ“メタボな土”、長年耕作されていない荒れ地のような痩せた土、雨水がいつまでたっても引かない“水はけ不良の土”。そうした困った土を整えるすべをケース別に紹介します。
【主な内容】
・土づくりは“土の診断”から始まる
・土の診断①物理性をチェック
・土の診断②化学性をチェック
・土の整え方・ケース① 水田を転用した水はけの悪い畑
・土の整え方・ケース② 砂地で水はけがよすぎる畑
・土の整え方・ケース③ 耕作者が毎回異なる貸農園
・土の整え方・ケース④ 休耕地を耕したばかりの畑
・土の整え方・ケース⑤ 宅地造成された庭先の畑
・小面積の畑に最適! 生ごみを活用した土づくり

監修/後藤逸男
農家のための土と肥料の研究会「全国土の会」会長。東京農業大学名誉教授(農学博士)。昭和25年、愛知県生まれ。日本国内の畑の“メタボ化”に警鐘を鳴らし、半世紀以上にわたり農業生産現場に密着した実践的土壌学に取り組む。近著に『改訂新版 環境・資源・健康を考えた土と施肥の新知識』(共著 農文協 2021年)。

大型連載

糸状菌の力で元気野菜づくり
家庭菜園で菌ちゃん農法

無農薬・無肥料でも糸状菌の力を生かして、大きくて健康な野菜が収穫できる「菌ちゃん農法」が全国で急速に広がっています。菌ちゃん先生こと吉田俊道さんが、『やさい畑』読者のために考案した2畝の家庭菜園向けモデルでの実践法を紹介します。今回は、3月からスタートできるジャガイモや葉物野菜の育て方を中心に最新のノウハウとともに解説します。

監修/吉田俊道
㈱菌ちゃんふぁーむ代表取締役。1959年、長崎市生まれ。九州大学農学部大学院修士課程修了後、長崎県農業改良普及を経て1996年に有機農家に。食育推進にも取り組み、NPO「大地といのちの会」理事長を務める。著書に『微生物の力だけで奇跡の野菜づくり 図解でよくわかる菌ちゃん農法』(家の光協会)など。

512名に抽選で種をプレゼント

“暑さに強い”から“新発売”まで続々登場!
 編集部厳選 品種ガイド2025

春から育てたくなること間違いなしの新品種と種苗メーカーいちおしの品種をピックアップ。さらに今年は「暑さに強い」にスポットを当て、選りすぐりの品種をご紹介します。さらに掲載品種を各10名様にプレゼントします。

特別企画

ジャンル別 最強ジャガイモ決定戦

今年植えるジャガイモ品種はもうお決まりですか? ひとくちにジャガイモと言っても、たくさんの品種があり、それぞれに特徴があります。ジャガイモを知り尽くした種イモ流通卸会社協力の下、生育特性や料理とのマッチングなど、家庭菜園に役立つセールスポイントごとにおすすめの品種を分類して紹介します。あなたにぴったりの品種がかならず見つかります。

イガさんの菜園実験室 

収量はどれだけ増える?
ジャガイモの芽挿し栽培

ジャガイモは、種イモを植えつけて育てるのが一般的です。では、種イモから複数伸びてくるわき芽を苗にして育てたらどうなるのでしょうか。当然苗の数は多くなりますが、立派なイモがとれるのか、収量がどうなるのか気になります。そこで畑への定植前に種イモから芽を伸ばし、1本ずつかき取りながら移植する「芽挿し栽培」を行って、イモの数や重さがどう変化するかを検証してみました。

栽培指導/五十嵐 透
東京都練馬区の農業体験農園「イガさんの畑」園主。練馬区農業体験農園園主会会員。江戸時代から続く農家に生まれ、平成11年に農業体験農園を開設。現在は約120名の利用者に、年間約20種類の野菜の栽培法をわかりやすく指導している。

スマイル農園のなるほど栽培 

米ぬかの効果を徹底検証
ジャガイモをそうか病から守れ!

掘り上げたジャガイモに褐色のしみが点々と……。「そうか病にかかってしまった」と、がっかりした経験をお持ちの方は多いと思います。食用には問題ないのでつい放置しがちですが、そうか病を防ぐ方法を知りたいという声は、編集部にもたくさん寄せられています。そこで今回は、米ぬかを使ったそうか病対策を紹介します。施用する米ぬかの量を変えて、そうか病の発病程度を比較しました。

栽培指導/豊泉 裕
1967年生まれ。東京都立川市の農業体験農園「スマイル農園」園主。江戸時代から続く農家の十代目で、就農29年め。農園利用者に年間約50種類の野菜の栽培を指導している。

畑の探求者 

刺激を与えて収量アップ! 
ジャガイモの皮 むいちゃいました

野菜は一定の刺激やストレスを与えることで、眠っていた力が呼び起こされ、生育がよくなったり、病害虫に強くなったりすることがあります。その未知の力を見つけるために、これまでもさまざまな方法を試してきましたが、今回行うのはジャガイモの皮むき栽培。種イモの腐敗や病害のリスクを乗り越えた先に増収の道を見つけました!
 
栽培・文/和田義弥
大学卒業後、出版社勤務を経てフリーライター。茨城県石岡市に暮らし、約5反の田畑で自給用の米や野菜を栽培。世界70か国以上を旅したなかで出合った多様な栽培法を実践する。著書に『一坪ミニ菜園入門』(山と溪谷社)などがある。

循環菜園 野菜づくりの新常識

堆肥も肥料も使わない土づくり
青草の2回鋤き込み術

気温の上昇とともに、畑の周囲には青々とした雑草が茂ってきます。こうした青草を鋤き込んで土づくりをすると、堆肥も肥料も使わず春の作付けをスタートできます。ただし、青草は生の有機物。めんどうでも「2回鋤き込み」が必要です。そこで、鋤き込み回数による土づくり効果の違いを検証すべく、コマツナを使い、「1回鋤き込み」の場合との生育差を比較しました。


栽培指導/内田達也
アースケアテイカー。㈱いかす取締役。1976年、東京都生まれ。神奈川県平塚市で7haの有機栽培圃場を運営し、年間50品目の野菜を出荷。持続可能な農業の担い手を増やす「はたけの学校【テラこや】」講師を務める。

大型栽培連載

省力で無農薬で多品目を作れる
ダンドリ達人の有機菜園講座

750㎡の畑で年間60品目の野菜を作る千葉県佐倉市の舞田隆志さんによる栽培講座。日ごろの作業に潜むさまざまなむだを取り除き、改善を加える舞田さんの“ダンドリ”満載の野菜の育て方を紹介します。今号では、畑や食卓がにぎやかになる個性的な野菜や夏の暑さや冬の寒さに強い野菜を取り上げます。
【今号で紹介する野菜】
●キンジソウ ●ルバーブ ●ジャガイモ ●紫ヤマイモ ●ミニゴボウ ●ラディッシュ

フクダ流ひらめき菜園塾

山形畝をピシッと立てられる!
“畝立て君”を作ろう

まっすぐで、畝幅が均一な畝は気持ちがよいもの。しかも畝面になだらかな傾斜がある山形畝なら、水はけがよくなり、野菜がよく育ちます。そんな山形畝を手軽に立てられるのが、福田さんのアイデア農具“畝立て君”。材料は杉板と角材のみ。構造もシンプルで簡単に作ることができます。

指導/福田 俊
東京農工大学農学部。家庭菜園研究家&ブルーベリー研究家。元東京農業大学グリーンアカデミー専科野菜講師。埼玉県にある畑と都内自宅の車庫上スペースで有機・無農薬の野菜づくりを実践。YouTubeの「福田俊チャンネル」は登録者数4.4万人を超える。著書は『おもしろアイデア栽培術』(万来舎)など多数。

自然栽培を成功させる方法

畑の生き物たちがつくる極上土
“草土”は苗づくりに最適

神奈川県愛川町の農園で、年間100品目もの野菜を自然栽培で育て、出荷している田村吾郎さんによる栽培講座。今号は、ナスやキュウリの苗づくりを紹介します。自然栽培の畑に適応した苗を作るコツは、苗づくりに用いる“草土”にあります。“草土”とは畑の生き物たちが草や残渣を分解してつくったもの。腐植物質を豊富に含み、程よく養分を保持しているため育苗には最適です。“草土”の作り方から詳しく解説します。

栽培指導/田村吾郎
1971年、神奈川県生まれ。東京農業大学大学院農学研究科修了。2012年、愛川町で就農し、「わんぱく自然農園たむそん」を開園。無肥料・無農薬で栽培した野菜を地元の直売所で販売するほか、個人宅やレストランに届けている

区画農園の超絶達人

見て、食べて、2度おいしい
花オクラと食用菊

区画農園で野菜づくりを楽しむ宮﨑靖好さんが、毎年かならず育てているのが、花を食べる野菜です。「鮮度がだいじなので、本来の香りや味を楽しむなら、自分で作るのがいちばんです」。夏中楽しめる「花オクラ」と、秋から咲き誇る「食用菊」の栽培法を紹介します。
 
栽培指導/宮﨑靖好
定年退職後、区画農園で野菜づくりを始め、現在3区画90㎡で年間70品目を手がける。限られたスペースを最大限に生かすため、密植や畝の上空を使い倒すリレー栽培などの手法を編み出し、高品質・高収量を実現している。