家の光協会

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やさい畑

2024年10月秋号

922円(税込み)

2024年9月3日発売

IENOHIKARI

巻頭特集

ずっしり極玉がかならずとれる
タマネギ 優良肥大の研究

タマネギを育てるなら、大玉を収穫したい――。
多くの菜園愛好家に共通する思いではないでしょうか。
しかし、タマネギは大きければよいというわけではありません。
人と同じように太りすぎはよくないのです。
タマネギの体は、大部分が葉でできています。
しっかりと葉を展開させてやることで健康的に肥大が進み、
ずっしり重く、よく締まった極玉ができます。
タマネギが肥大するメカニズムと、それを最大限生かした育て方をじっくり学んでみましょう。

監修/池田裕樹
宇都宮大学農学部准教授。東北大学大学院農学研究科博士後期課程修了後、日本学術振興会特別研究員、農研機構東北農業研究センター任期付研究員を経て、宇都宮大学に着任。博士(農学)。専門は園芸学。栃木県真岡市にある附属農場を研究拠点に、タマネギとトマトの栽培試験や生育調査、遺伝子レベルの実験を続け、品質や生産性を高めるための基礎研究を行う。

栽培連載

省力で無農薬で多品目を作れる
ダンドリ達人の有機菜園講座

750㎡の畑で年間60品目の野菜を作る千葉県佐倉市の舞田隆志さんによる栽培講座。日ごろの作業に潜むさまざまなむだを取り除き、改善を加える舞田さんの“ダンドリ”満載の9月からスタートする野菜の育て方を紹介します。
 【秋号で紹介する野菜】
●ジャンボニンニク ●イチゴ ●長ネギ ●タマネギ ●ラッキョウ ●ソラマメ ●エンドウ ●子持ちタカナ ●のらぼう菜

特集

”にんにくの里“青森県田子町で教わる ニンニク栽培の極意

冬の寒さと肥大期の昼夜の寒暖差が最高級のニンニクを育てる青森県田子町。生産量はもとより、その品質においても全国トップクラスを誇るこの町で、50年以上ニンニクを栽培している名人に、うまみが凝縮した大玉ニンニクの育て方を教えてもらいます。

ニンニク名人/田沼誠一
青森県田子町で代々農家を営み、1962年に田子町にニンニクが導入されると間もなく、当時栽培していたリンゴやホップなどと併せて栽培を始める。現在は、1.5haの畑で『美六姫』と『白玉王』の2品種を栽培している。

循環菜園 野菜づくりの新常識

秋まきでもニンジンはできる!

ニンジンは、夏にまくものと思ってはいませんか? 近年は、夏場の気温が高くなり、乾燥によって発芽に失敗するケースが増えています。そこでおすすめなのが“秋まき”です。秋まきは、想像以上に簡単に発芽し、春先にいち早くよく太ったニンジンが収穫できるのです。
 
栽培指導/内田達也
アースケアテイカー。㈱いかす取締役。1976年、東京都生まれ。神奈川県平塚市で7haの有機栽培圃場を運営し、年間50品目の野菜を出荷。持続可能な農業の担い手を増やす「はたけの学校【テラこや】」講師を務める。

スマイル農園のなるほど栽培 

広いほどに大玉に育つ?
ニンニクのベストな株間を探れ

ニンニクは、小ぶりなものよりも大きなもののほうが見栄えがよく、食べごたえもあり、なにより収穫したときの喜びも大きいものです。手軽にサイズをコントロールする方法を見つけるべく、植えるさいの株間を変えて、できるニンニクの大きさを検証してみました。

栽培指導/豊泉 裕
1967年生まれ。東京都立川市の農業体験農園「スマイル農園」園主。江戸時代から続く農家の十代目で、就農29年め。農園利用者に年間約50種類の野菜の栽培を指導している。

自然栽培を成功させる方法

虫と草を制す秘策あり!
ニンジンとダイコンはこう育てる

神奈川県愛川町の農園で、年間100品目もの野菜を自然栽培で育て、出荷している田村吾郎さんによる栽培講座。今号は、種からまくニンジンやダイコンの育て方を紹介。9月は、まだ暑さが厳しく虫の食害や旺盛に伸びる草に負けて失敗しがちです。そんな虫と草をコントロールして、上手に育てる“秘策”を紹介します。

栽培指導/田村吾郎
1971年、神奈川県生まれ。東京農業大学大学院農学研究科修了。2012年、愛川町で就農し、「わんぱく自然農園たむそん」を開園。無肥料・無農薬で栽培した野菜を地元の直売所で販売するほか、個人宅やレストランに届けている。

特別企画

ライムギを使って

不耕起栽培にチャレンジ!

人が土を耕すのを最小限に抑え、作物に土づくりを委ねる「不耕起栽培」1作ごとに耕す労力がかからない、野菜を作り続けても土が痩せないなど、持続可能な農法として注目を集めています。福島大学ではライムギを活用した不耕起栽培の実証・研究を続け、野菜の収量や食味の向上をめざしています。現在、その福島大学で学ぶ鴨志田純さんに、ご自身の農場で不耕起栽培を始めてもらいました。
 
栽培/鴨志田 純
中高一貫校の数学教員を経て、東京都三鷹市で江戸時代からの続く農家の6代目を継承。約30aの畑を営み、50品目の野菜を有機・無農薬で育てる。2023年度より福島大学大学院の修士課程で学び、農業生態学(アグロエコロジー)の調査・研究を行う。

フクダ流ひらめき菜園塾

野菜の貯蔵に大活躍!
コンパクト土室を作ろう

秋冬野菜を貯蔵するさいにあると重宝するのが「土室」。土室の中は、真冬でも温度・湿度が保たれるので、野菜類を保存するのに古くから使われてきました。とりわけ、サトイモやナガイモの保存に適していて、菜園にあると野菜づくりの幅が広がります。今回は、コンパクトなサイズで、しかも耐久性抜群のフクダ流土室の作り方を紹介します。

指導/福田 俊
東京農工大学農学部卒。家庭菜園研究家&ブルーベリー研究家。元東京農業大学グリーンアカデミー専科野菜講師。埼玉県にある畑と都内自宅の車庫上スペースで有機・無農薬の野菜づくりを実践。YouTubeの「福田俊チャンネル」は登録者数4.4万人を超える。著書は『おもしろアイデア栽培術』(万来舎)など多数。

畑の探求者

根の潜在パワーを引き出す!?
キャベツのど根性栽培

ナスやエダマメなど一部の野菜では、根にストレスを与えると、生育がよくなることが知られています。根は野菜の体を支え、養水分を吸収するだいじな部位。それゆえ根への働きかけは、野菜の生育を大きく左右します。
そこで根が丈夫なキャベツを、あえて根にストレスがかかるように植えつけて、育ちがどう変化するかを観察しました。
 
栽培・文/和田義弥
大学卒業後、出版社勤務を経てフリーライター。茨城県石岡市に暮らし、約5反の田畑で自給用の米や野菜を栽培。世界70か国以上を旅したなかで出合った多様な栽培法を実践する。著書に『一坪ミニ菜園入門』(山と渓谷社)などがある。

畑の社会見学

新しい農的人生に踏み出せる
週末農業スクール

「新しい農業ビジネスに挑戦したい」「セカンドライフで農的生活を楽しみたい」。今、農業に新しい価値を求める人が増えています。しかし、仕事を続けながら本格的に農業を学ぶのは大変です。週末のみの受講で、農業技術から経営まで、理論と実践が身に付く大学校を訪ねました。

見学先/アグリイノベーション大学校