家の光協会

HOME

雑誌・Webメディア

やさい畑

2024年8月夏号

922円(税込み)

2024年7月3日発売

IENOHIKARI

巻頭特集

成功と失敗の原因がよくわかる
夏の菜園通信簿

今年の夏野菜のできはどうでしょうか? 日々の手入れに加え、予期せぬ天候の変化や病害虫の被害といった、さまざまな要因が野菜のでき・不できに影響を与えています。原因の特定は難しいですが収穫物をつぶさに観察すればわかることもあります。いわば収穫物は菜園の通信簿。収穫物の下意見や断面、食味などの判定ポイントを野菜ごとに解説し、来年の夏野菜や今年の秋冬野菜に生かせる改善策を紹介します。

監修/麻生健洲
千葉大学園芸学部卒業。埼玉県の農業高校教諭として35年間、園芸(おもに野菜)と生物工学を教える。退職後は家庭菜園を楽しみながら、書籍や雑誌の執筆、監修をしている。本誌で「畑の虫 生態絵巻」を連載中。『無農薬菜園はじめよう 楽しく続けるアイデア50」(家の光協会)など、著書多数。

栽培連載

省力で無農薬で多品目を作ろう
ダンドリ達人の有機菜園講座

750㎡の畑で年間60品目の野菜を作る千葉県佐倉市の舞田隆志さんによる栽培講座。日ごろの作業に潜むさまざまなむだを取り除き、改善を加える舞田さんの“ダンドリ”満載の秋冬野菜の育て方を紹介します。
 【夏号で紹介する野菜】
●ブロッコリー&カリフラワー
●キャベツ
●芽キャベツ
●レタス
●茎レタス
●ハクサイ
●ニンジン
●ダイコン

特集

かならず成功する!
秋冬野菜の種まき

近年の異常な夏の暑さで、読者のみなさんから「秋冬野菜の種まきがうまくいかない」という悲痛な叫びが編集部に多数寄せられています。高温と乾燥が続く過酷な夏、どう対処すれば種まきが成功するのか―。
とくに失敗の声が多い、ダイコン、ニンジン、ハクサイの秘策を紹介します。


監修/内田達也
アースケアテイカー。㈱いかす取締役。1976年、東京都生まれ。神奈川県平塚市で7haの有機栽培圃場を運営し、年間50品目の野菜を出荷。持続可能な農業の担い手を増やす「はたけの学校【テラこや】」講師を務める。

めざせ大発見 畑の探求者

労力とスペースの極小化を実現!
長ネギの囲い栽培

長く立派な長ネギを育てるには、土寄せが欠かせません。土寄せするには、通路幅をじゅうぶんにとる必要がありますが、畑が広くない場合は、スペース確保が問題となります。さらに土寄せ自体も意外と重労働で、手間がかかります。もっと手軽に育てるべく編み出したのが、この“囲い栽培”。まさに画期的な方法です。
 
栽培・文/和田義弥
大学卒業後、出版社勤務を経てフリーライター。茨城県石岡市に暮らし、約5反の田畑で自給用の米や野菜を栽培。世界70か国以上を旅したなかで出合った多様な栽培法を実践する。著書に『一坪ミニ菜園入門』(山と渓谷社)などがある。

イガさんの菜園実験室

良球ができるのはどっち?
じかまきVS移植実験

同じ結球野菜でも、ハクサイはじかまきと育苗、どちらからでも始められるのにたいし、キャベツはもっぱら苗を移植して育てます。キャベツのじかまきは、なにか不都合を生じるのでしょうか? キャベツをじかまきした場合と苗を移植した場合とで、キャベツのできにどんな差が生じるのか、「じかまき」、「セルトレーから移植」、「苗床から移植」の3パターンで検証しました。


栽培指導/五十嵐 透
東京都練馬区の農業体験農園「イガさんの畑」園主。練馬区農業体験農園園主会会員。江戸時代から続く農家に生まれ、平成11年に農業体験農園を開設。現在は約120名の利用者に、年間約20種類の野菜の栽培法をわかりやすく指導している。

フクダ流ひらめき菜園塾

発芽率が大幅アップ!
“溝つけ君”と“穴あけとんとん”を作ろう

発芽ぞろいがよく、幼苗期の生育が順調に行けば、栽培はおおむね成功といえます。裏を返せば、発芽前後の管理がそれだけ難しいということ。しかも近年は酷暑の影響で発芽がうまくいかなかったり、生育が不順だったり、という失敗が増えているのではないでしょうか? でも安心してください。福田さん特製の種まき専用アイテムがあれば、そんな失敗とはおさらばです。


指導/福田 俊
東京農工大学農学部卒。家庭菜園研究家&ブルーベリー研究家。元東京農業大学グリーンアカデミー専科野菜講師。埼玉県にある畑と都内自宅の車庫上スペースで有機・無農薬の野菜づくりを実践。YouTubeの「福田俊チャンネル」は登録者数4.4万人を超える。著書は『おもしろアイデア栽培術』(万来舎)など多数。

循環菜園 野菜づくりの新常識11

ニンジンの間引きの効果を検証する

ニンジン栽培といえば、多めの種をまいて、間引きながら育てるのがセオリーです。なぜ、ニンジン栽培において、手間のかかる間引きが必要なのでしょうか。 そこで、間引きを「する」区画と「しない」区画に分けて、ニンジンのできや収量にどんな違いが出るのか検証しました。

栽培指導/内田達也
アースケアテイカー。㈱いかす取締役。1976年、東京都生まれ。神奈川県平塚市で7haの有機栽培圃場を運営し、年間50品目の野菜を出荷。持続可能な農業の担い手を増やす「はたけの学校【テラこや】」講師を務める。

スマイル農園のなるほど栽培 第27回

発芽促進、雑草対策に効果あり!?
ニンジンの条まきマルチ栽培

マルチフィルムは、通常、穴をあけて使いますが、今回は直線の切り込み(スリット)を入れて、そこにニンジンの種をまいてみました。当初期待した効果は、近年の酷暑で難易度が増している、ニンジンの発芽ぞろいをよくすることでしたが、それ以外にも思わぬメリット見いだせました。


栽培指導/豊泉 裕
1967年生まれ。東京都立川市の農業体験農園「スマイル農園」園主。江戸時代から続く農家の十代目で、就農29年め。農園利用者に年間約50種類の野菜の栽培を指導している。

自然栽培を成功させる方法 vol.3回

隙間移植なら根が傷まない
大玉ハクサイはこう育てる

神奈川県愛川町の農園で、年間100品目もの野菜を自然栽培で育て、出荷している田村吾郎さんによる栽培講座。今号は、根が弱く移植を嫌うとされるハクサイをあえて移植するという常識の逆を行く育て方を紹介。虫害を最小限に抑えつつ、大きなハクサイを育てる秘訣を紹介します。

栽培指導/田村 吾郎
1971年、神奈川県生まれ。東京農業大学大学院農学研究科修了2012年、愛川町で就農し、「わんぱく自然農園たむそん」を開園、無肥料・無農薬で栽培した野菜を地元の直売所で販売するほか、個人宅やレストランに届けている。

区画農園の超絶達人

移植してもまっすぐに育つ
ニンジン&ダイコンの紙筒栽培

根を食用にする根菜類は、じかまきで育てるのが常識とされています。ところが宮﨑さんは、ニンジンやダイコンの種を紙筒にまき、育苗して畑に移植しています。「大きなメリットは3つ。①まっすぐなニンジン、ダイコンになる ②欠株がない ③土づくりの時間が長くとれる」。まさに超絶な栽培法です。

栽培指導/宮﨑 靖好 

外資系企業の日本法人代表を定年退職後、横浜市内の区画農園で野菜づくりを始め、現在3区画90㎡の畑で年間70品目を手がける。限られたスペースを最大限に生かすための研究に没頭。密植や畝の上空を使い倒すリレー栽培など、常識を軽々と超越した手法を編み出し、高品質・高収量を実現している。

区画農園の超絶達人

「いいからかん」に丸ごと使い切る
山里農家の夏の野菜ご飯

どっさりとれる夏野菜。持て余していつも同じ食べ方になっていませんか? 標高2000m急の山々が連なる群馬県片品村で農業を営む瀬戸山さん夫妻を訪ね、夏の畑仕事の合間にパパッと作れる、瀬戸山家定番の夏の野菜ご飯を教えてもらいました。夫妻のポリシーは「いいからかん」。「いいかげん」を意味する片品村の方言です。いいからかんにゆるゆると作ってみてください。

料理指導/瀬戸山洋光・瀬戸山美智子